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【2026最新】少額減価償却の特例が「40万円」まで引き上げ!具体的に何が変わる?

【2026最新】少額減価償却の特例が「40万円」まで引き上げ!具体的に何が変わる? | 節税について

令和8年4月施行予定の税制改正で、少額減価償却資産の特例の上限が30万円未満から40万円未満に引き上げられます。

正確な帳簿をつけることで節税特典が受けられる申告方式「青色申告」をしている中小企業・個人事業主が使えるこの制度は、対象となる備品を購入した年に全額経費として計上できる仕組みです。

上限が拡大されると、これまでは対象外だった30〜40万円台の備品も令和8年4月以降の購入から特例を使えるようになります。

「自社は条件を満たしているか」「申告でミスしないためには何を確認すべきか」を、ここで順を追って確認しておきましょう。

この記事でわかること

  • 令和8年4月の改正内容(30万円未満から40万円未満への上限拡大)
  • 改正後に新たに対象になる備品の具体例
  • 特例が使える条件(中小企業・個人事業主であること・青色申告をしていること)
  • 備品の金額別に見る4つの処理方法の違い
  • 税込・税抜の経理方式で対象が変わる判定の仕組み
  • 決算前に備品を活用するための税理士目線の考え方
この記事を書いた人
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南 彰悟

1986年3月6日生まれ。大分県出身。早稲田大学を卒業後、25歳で公認会計士試験に合格。大手監査法人に8年程勤める。2020年税理士登録。イデア総研税理士法人の副代表として活動する。

【令和8年4月】少額減価償却資産の特例の何が変わる?

そもそも:少額減価償却資産とは?

事業で使うパソコンや機械・業務用の備品などは、購入した年に全額を経費にすることが原則としてできません。

モノには時間とともに価値が下がる性質があるため、「何年かけて使えるか(法定耐用年数)」に応じて、少しずつ経費に分けていくルールがあります。これを「減価償却」といいます。

たとえばノートパソコンの耐用年数は税法上4年。38万円で購入した場合、通常は1年あたり9.5万円ずつ、4年かけて経費化していきます。これが減価償却という考え方です。

しかしこの少額減価償却資産の特例は、この原則に対する「例外ルール」です。

青色申告をしている中小企業・個人事業主が一定金額未満の備品を購入して事業で使い始めた場合に、購入費用の全額をその年の経費として計上できます。

同じ38万円のノートパソコンでも、この特例を使えば購入した年にまるごと38万円を経費にできます。その分だけその年の利益(税金がかかる所得)が下がり、支払う税金を抑える効果が生まれます。

青色申告をしている中小企業・個人事業主だからこそ使える、節税の特典のひとつです。

30万円→40万円へ上限が変更に!

令和8年度税制改正大綱と法案では、この特例の対象となる金額の上限を40万円未満に引き上げる内容が示されています。

施行予定時期は令和8年4月です。

項目

改正前(〜令和8年3月)

改正後(令和8年4月〜、予定)

一括経費化できる上限

30万円未満

40万円未満

変化はシンプルで「1点あたり40万円未満の備品を、購入した年に全額経費化できる枠」が広がる予定です。

物価高によりパソコンをはじめとする『会社を運営する備品』が購入しづらくなる(日本企業の成長を抑制してしまう)ことからくる法改正かと思われます。

令和8年4月以降に新たに対象になる備品の具体例

30〜40万円の備品は、これまで「耐用年数に応じた通常の減価償却(複数年に分割)」しかできませんでした。改正後は、この金額帯の備品も購入した年に全額経費化できるようになります。

【事例1】38万円のノートPCを購入する場合

業務効率化のために、38万円のビジネス向けノートPCを購入しようとしているとします。

令和8年3月までは上限が「30万円未満」だったため、38万円のパソコンは特例の対象外でした。耐用年数4年で分割し、毎年約9.5万円ずつしか経費化できませんでした。

しかし令和8年4月以降は「40万円未満」に拡大されるため、38万円のパソコンが特例の対象になります。購入した年に38万円をまるごと経費化できるようになります。

【事例2】35万円の業務用複合機を買い替える場合

事務所のコピー機が古くなり、35万円の業務用複合機への買い替えを検討しているとします。

令和8年3月までに購入した場合は特例の対象外。耐用年数5年で分割し、毎年7万円ずつの経費化となっていました。

令和8年4月以降に購入すれば、購入した年に35万円をまるごと経費化できます。「そろそろ替えどきかな」と思っていた設備なら、購入のタイミングを少し後ろにずらすだけで、税負担が大きく変わることがあります。

【事例3】32万円のタブレット+周辺機器をセットで購入する場合

業務用のタブレットと、一緒に使うキーボード・スタイラスペンをセットで購入すると、合計32万円になったとします。

令和8年3月までは、セット合計が30万円以上であれば特例の対象外。4年間での分割経費化となっていました。

令和8年4月以降は40万円未満まで対象が広がるため、32万円のセットであれば購入年に全額経費化できます。

「どうせ買う予定だった備品」が、令和8年4月以降の購入なら、その年の決算でまとめて経費になります。それだけで利益が数十万円単位で変わることがあるというわけですね。

【注意!】年間合計「300万円の上限」は変わらない!

拡大されたのは「1点あたりの上限金額」だけです。

1年間にこの特例を適用できる合計金額は、引き続き300万円までという上限は変わりません。

たとえば、1点38万円のパソコンを複数台まとめて購入する場合、年間合計が300万円を超えた部分には特例が適用できません。超えた部分は通常の減価償却(耐用年数で分割)での処理となります。

購入計画を立てる際は、

  • 1点あたりの金額(40万円未満かどうか)
  • 年間の合計金額(300万円以内かどうか)

この2点を確認しておきましょう。

自分の会社は使える?2つの条件を確認!

少額減価償却資産の特例は、誰でも使えるわけではありません。

使える条件は2つだけ。①「中小企業・個人事業主であること」、②「青色申告をしていること」です。

この2つを満たさない場合は対象外になります。それぞれ何を意味するか、順に確認しましょう。

「中小企業 or 個人事業主」であること!

一般的に資本金1億円以下の法人と個人事業主が当てはまります。大企業(資本金1億円超)は対象外です。

ただし、大企業グループの子会社など「規模は小さくても大企業の傘下にある会社」は、資本金が1億円以下でも除外されることがあります。

また「自社が条件を満たすかどうか」の判定タイミングは、「代金を払った日」や「注文した日」ではなく、実際に備品が届いて事業で使い始めた日の時点で判断します。

自社が条件に当てはまるか不明な場合は、税理士への確認をおすすめします。

青色申告をしていること!

この特例が青色申告を条件とするのは、「正確な帳簿をつけている事業者への特典」として設計されているからです。

車の免許でいえば、ゴールド免許のようなものです。

ゴールド免許保有者が自動車保険の割引など特典を受けられるように、青色申告も手間をかけて正確な帳簿をつけることで、使える節税制度の幅が広がります。白色申告の事業者はこの特例を使えません。

白色申告で使えるのは、「10万円未満の消耗品費(購入年に全額経費化)」か「10万円以上20万円未満の一括償却資産(3年間で均等に経費化)」までです。

青色申告には、この特例以外にも次のような特典があります。

  • 青色申告特別控除:最大65万円(電子帳簿保存またはe-Tax申告が条件。55万円・10万円のコースもあり)
  • 赤字の繰越控除:3年間にわたって繰り越せる
  • 少額減価償却資産の特例:購入した年に全額経費化できる

まだ青色申告をしていない場合は、「青色申告承認申請書」を税務署に提出することで切り替えができます。提出期限は個人・法人で異なりますので、詳しくは税務署または税理士にご確認ください。

少額減価償却資産の申告で間違えやすい3つのポイント

制度の内容を理解し、条件も確認できたとしても、実際の申告場面では間違えやすいポイントがあります。

「条件を満たしているはずなのに対象外になってしまった」という事態を防ぐために、3つの注意点をここで確認しておきましょう。

① 税込か税抜かでも判定が変わる

「40万円未満かどうか」の判断は、請求書に書かれた金額だけで決まるわけではありません。

消費税をどう処理しているか(税抜経理か税込経理か)によって、判定の基準となる金額が変わります。

  • 税抜経理方式の場合(消費税を別立てで管理している):消費税を除いた金額で判定する
  • 税込経理方式の場合(消費税込みの金額で帳簿をつけている):消費税を含んだ金額で判定する

たとえば、税抜399,000円の備品を購入するとします。消費税10%を加えた税込価格は438,900円です。

  • 税抜経理なら399,000円で判定 → 40万円未満 → 特例の対象
  • 税込経理なら438,900円で判定 → 40万円以上 → 特例が使えない

同じ備品を同じ金額で買っても、経理方式の違いで結果が逆転することがあります。自社がどちらの方式かを確認してから判断しましょう。

② 送料・設置費用も合算した金額で判定する

「本体代金が39万円だから大丈夫」と思っていても、送料や設置費用を加えると40万円を超えるケースがあります。

引取運賃・運送保険料・購入手数料・設定費用なども、判定の基準となる金額に含まれます。

価格がギリギリの場合は、諸費用も含めたトータルの金額で確認しておきましょう。

③ 令和8年4月の前後で、使える上限が切り替わる

令和8年4月に新基準が施行されるため、購入のタイミングで使える基準が変わります。

  • 令和8年3月以前に購入した備品:旧基準(30万円未満)が適用される見込み
  • 令和8年4月以降に購入した備品:新基準(40万円未満)が適用される見込み

ここで注意したいのが「取得した日」の判定です。「お金を払った日」や「注文した日」ではなく、実際に備品が届いて、事業で使い始めた日が基準になります。

令和8年3月末に代金を支払っても、実際に届いて使い始めたのが4月以降であれば、新基準(40万円未満)が適用される可能性があります。決算期をまたぐ備品の購入は、取得日の確認が欠かせません。

まとめ:少額減価償却資産の特例改正を確認して、決算前に税理士へ相談を

青色申告をしている中小企業・個人事業主にとって、節税の選択肢が一段広がる改正です。

この記事のポイント

  • 令和8年4月から上限が30万円未満→40万円未満に拡大予定
  • 使えるのは青色申告の中小企業・個人事業主のみ(条件の変更なし)
  • 年間合計300万円の枠は変わらないため、計画的な購入を
  • 税込・税抜の経理方式で対象になるかどうかが変わる
  • 令和8年3月以前の購入分は旧基準(30万円未満)のまま
  • 取得日の判定は「使い始めた日」。支払い日や注文日ではない

税込・税抜の経理方式や取得タイミングによっても判定が変わるため、「対象だと思っていたら対象外だった」という事態は起きやすい制度です。申告前に一度、税理士と確認しておくことをおすすめします。

税制改正のたびに顧問先へ個別の活用提案を行っており、「使えるかどうか」の判断から節税計画まで、こちらから先回りしてご提案します。

「聞かなければ教えてくれない税理士」ではなく、「使える制度をこちらから伝える税理士」をお探しなら、まずはお気軽にご連絡ください。

 

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