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【税理士変更で必須!】総勘定元帳って何?前任者が共有してくれない場合はどうする?

【税理士変更で必須!】総勘定元帳って何?前任者が共有してくれない場合はどうする? | 税理士について

税理士を変更する際、新しい税理士から『まず、現在の税理士から勘定元帳を受け取ってください』と言われたことはありませんか?

総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)は税理士変更時の最重要書類の一つです。

企業の全取引を勘定科目ごとに記録した帳簿であり、新しい税理士が貴社の財務状況を正確に把握するために欠かせません

本記事では、勘定元帳の基本から、税理士変更時の確認ポイントと対処法まで、実務で即座に使える情報を提供します!

この記事を読めば、こんな悩みが解決します!
  • 勘定元帳の基本と法令上の位置づけ
  • 勘定元帳の中身と確認すべきポイント
  • 税理士変更時に勘定元帳が必要な3つの理由
  • 引き継ぎ時のトラブルと対処法
この記事を書いた人
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南 彰悟

1986年3月6日生まれ。大分県出身。早稲田大学を卒業後、25歳で公認会計士試験に合格。大手監査法人に8年程勤める。2020年税理士登録。イデア総研税理士法人の副代表として活動する。

そもそも「総勘定元帳」って何?

総勘定元帳とは…これまでの取引における「記録帳」!

総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)または勘定元帳とは、企業の全取引を勘定科目ごとに分類して記録する帳簿です。

勘定元帳は会計帳簿の中心的存在であり、貸借対照表や損益計算書など決算書類を作成する基礎資料となります

また、各勘定科目の残高と推移を一目で確認できるため、経営判断の材料として活用されるほか、税務申告の根拠資料、税務調査時の証明書類としても重要な役割を担っています。

勘定科目ごとの構成

勘定元帳では、各勘定科目(現金、売掛金、買掛金、売上、経費など)ごとに、いつ、いくら、どのような取引があったかを一覧できます。

各ページには日付、相手勘定科目、取引の内容、借方・貸方の金額、残高が記載されます。

会計上、勘定科目は大きく5つのグループに分類されます。

  1. 資産:現金、預金、売掛金、建物、土地など
  2. 負債:買掛金、借入金、未払費用など
  3. 純資産:資本金、利益剰余金など
  4. 収益:売上、受取利息、雑収入など
  5. 費用:仕入、給与手当、水道光熱費、地代家賃、交際費など

「仕訳帳」とは違うの?

「勘定元帳」と「仕訳帳」は、どちらも法定帳簿として作成が義務付けられていますが、記録方法や目的が異なります。

仕訳帳は取引を発生順(時系列)に記録する帳簿で、勘定元帳は取引を勘定科目別に整理して記録する帳簿です。

以下のようなイメージです。

項目 仕訳帳 勘定元帳
記録順序 日付順 勘定科目別
目的 取引の網羅的な記録 科目ごとの集計・残高管理
税理士変更時 引き継ぎに必要 最初に確認される重要書類

仕訳帳は取引の発生順に記録されているため、いつ何が起きたかを時系列で追うことができます。

一方、勘定元帳は勘定科目ごとに整理されているため、各科目の残高や推移を一目で把握できるのが特徴です。

税理士変更時はどちらも必要ですが、新しい税理士はまず勘定元帳で財務状況の全体像を掴み、必要に応じて仕訳帳で個別取引の詳細を確認します。

法令上の義務と保存期間

会社法および税法上、企業は帳簿を作成・保存することが義務付けられています。

  • 会社法:保存期間は10年間
  • 税法:確定申告期限から7年間の保存義務

青色申告では勘定元帳の備え付けが必須です。不備があると青色申告特典が取り消される理由となり得ます。

税理士変更時には、最低でも過去7年分(実務的には3年分)の勘定元帳を受け取る必要があります。

これがないと、将来の税務調査時に提示できず、追徴課税のリスクが生じます。

2024年からは帳簿不備に対するペナルティが強化され、帳簿の提示を拒んだ場合や帳簿に売上の半分以上を記載していなかった場合、過少申告加算税・無申告加算税の税率が通常より10%引き上げられます。

出典:e-Gov法令検索|会社法432条2項

出典:国税庁|帳簿書類等の保存期間

出典:国税庁|申告漏れがあった場合には…売上げに関する帳簿を作成・保存していない事業者の方は加算税が重くなります

税理士変更時:可能であれば『電子データ』での受け取りを!

2024年から電子帳簿保存法が改正され、電子取引データは電子データでの保存が原則義務化されました。

税理士変更時には、電子データでの勘定元帳の提供を受けるのが望ましいです。

多くの会計ソフトは電子帳簿保存法に対応しているため、新しい税理士と相談し、適切な形式で引き継ぐことが大切です。

出典:国税庁|電子帳簿保存法の内容が改正されました

勘定元帳の“中身”は何が記載されていればOK?

勘定元帳には、勘定科目ごとの取引が記録されています。税理士変更時や日常の経営で確認すべきポイントを解説します。

1. すべての「勘定科目」が揃っているかチェック!

すべての勘定科目のページが揃っているかを確認しましょう。

勘定元帳の一部が欠けていると、新しい税理士が財務状況を正確に把握できず、引き継ぎに時間がかかります。

特に現金・預金・売掛金・買掛金といった主要科目が欠けていると、決算書の作成に支障が出るだけでなく、税務調査時に帳簿不備として指摘される可能性があります。

税理士変更時には、引き継ぐ期間すべての勘定元帳が揃っているかを確認することが重要です。

2. すべての「金額が正確か」をチェック!

借方・貸方の金額、残高に誤りがないかを確認します。勘定元帳の数字が間違っていると、決算書の信頼性が損なわれるだけでなく、税務申告にも影響します。

特に期末残高が貸借対照表の数字と一致しているか、前期末残高と当期首残高が一致しているかをチェックしましょう。

計算ミスや入力ミスは、税務調査で過少申告や過大申告として指摘され、追徴課税のリスクにつながります。

新しい税理士への引き継ぎ前に、金額の正確性を確認しておくことが大切です!

具体的には、以下を確認しましょう。

  • 期末残高と決算書の照合:貸借対照表の数字と一致しているか
  • 期首残高の連動性:前期末残高と当期首残高が一致しているか
  • 借方・貸方の合計:各勘定科目で借方と貸方のバランスが取れているか
  • 異常な残高の有無:マイナス残高や異常に大きな金額がないか

3. 取引の「妥当性」をチェック!

不自然な取引や金額の動きがないかを確認します。雑費として多額の支出が計上されていると使途不明金とみなされ、税務調査で否認されるリスクがあります。

また、個人的な支出が経費に含まれていると、重加算税の対象になる可能性もあります。

売掛金・買掛金の残高が実態と合っているかも重要です!

特に以下の勘定科目を重点的に確認しましょう。

  • 雑費:さまざまな費用が混在していないか、内容が明確か
  • 旅費交通費:個人的な支出が含まれていないか
  • 消耗品費:金額が妥当か、不自然な増減がないか
  • 売掛金:残高が実態と合っているか、回収漏れがないか
  • 買掛金:残高が実態と合っているか、計上漏れがないか

これらの科目は税務調査でも重点的にチェックされるため、引き継ぎ前に確認しておくことが大切です。

4. 期首〜期末残高の“流れ”をチェック!

期首残高から期末残高までの流れが正しいかを確認します。

前期末残高と当期首残高が一致していないと、会計データに不整合が生じ、決算書の信頼性が損なわれます。

税理士変更時には、引き継ぐ期間の勘定元帳がすべて連続しているかをチェックしましょう!

具体的には、以下を確認しましょう。

  • 引き継ぐ期間すべての勘定元帳が揃っているか
  • 毎月の記録が途切れずに記載されているか
  • 前期末から当期首への残高が正しく繰り越されているか
  • 異常な増減や欠落がないか

【税理士変更において】勘定元帳ってどこで必要になるの?

税理士を変更する際、勘定元帳は引き継ぎに欠かせない重要書類です。勘定元帳がないと、新しい税理士がスムーズに業務を開始できず、税務リスクが高まります。

ここでは、税理士変更時に勘定元帳が必要な理由を3つ解説します!

1:新しい税理士が「財務状況」を把握するとき!

新しい税理士は、貴社の過去の取引内容、各勘定科目の残高、財務状況の推移を正確に把握する必要があります。

勘定元帳がないと、一から会計データを再構築する必要があり、時間とコストがかかります。

最悪の場合、会社の財務状況が不明瞭になる「空白期間」が生まれ、適切な税務申告や経営アドバイスができなくなります。

実務上は過去3期分の勘定元帳を受け取るケースが多く、これにより新税理士は過去の年度と比較しながら現在の財務状況を分析できるわけです。

2:税務調査で「過去3期分の提示」が求められるとき!

税務調査では通常、直近3年分の申告内容がチェック対象となります。税理士変更後、数年経ってから税務調査が入ることもあります。

その際、前の税理士から引き継いだ勘定元帳が不完全だと、新しい税理士は適切に対応できません。そのため税理士変更時には、過去3期分の勘定元帳をしっかりと引き継ぐことが重要です。

3:経営状況を踏まえた「経営判断・アドバイス」を行うとき!

勘定元帳は、会社の経営状況を把握するのに不可欠。

全ての勘定科目の動きを網羅しているため、これを分析することで企業の強み・弱み、課題が浮き彫りになります。

ただ税務を代行するだけであれば特段不要なこともありますが、現状の経営状況を踏まえた「経営判断・コンサルティング」を依頼したいとき、その判断基準となる書類がこの勘定元帳になるというわけです。

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引き継ぎ時のトラブルと対処法

税理士変更では、さまざまなトラブルが起こることがあります。よくあるトラブルとその対処法を解説します。

1. 勘定元帳の一部データが欠落している…

税理士変更時に、特定の勘定科目や期間のデータが抜けているケースがあります。現金や預金などの主要科目が欠けていると、新しい税理士は財務状況を正確に把握できず、決算書の作成や税務申告に支障が出ます。

対応すべきこと:前の税理士に“バックアップの出力依頼”を!

まず、前任税理士にバックアップの有無を確認し、データの再出力を依頼しましょう。それでも解決しない場合は、請求書や領収書などの元となる書類から勘定元帳を再構築する必要があります。

データ欠落を放置すると、税務調査時に説明できないリスクがあるため、早急な対応が重要になります。

2. 会計ソフトのバージョンが古く、データ移行できない…

前任税理士が使用していた会計ソフトのバージョンが古い場合、新しい税理士の環境に“データ移行できない”というトラブルが発生することがあります。

特に旧バージョンの弥生会計やPCA会計などは、最新版との互換性に問題が生じることが多いです。

まず、ソフトウェアのバージョンアップやデータコンバート機能で変換を試みましょう。それが難しい場合は、CSV形式でエクスポートして汎用データ形式でやり取りする方法があります。

3. 前の税理士が資料を渡してくれない…

そして稀にあるケースが、税理士変更時に前任の税理士が決算書類や総勘定元帳の返却を渋るケース。円満解約できた場合は問題ないのですが、前任者が解約に後ろ向きだったりすると、『資料を渡してくれない』というケースもよく聞くトラブルです。

【大前提】決算書・元帳は『会社の所有物』!

決算書や元帳などの資料は会社(納税者)の所有物です。資料返却の要求は正当な権利であり、遠慮する必要はありません。

まず、内容証明郵便で正式に返却を依頼する文書を送りましょう。

文書による正式な請求を行うことで、相手も対応せざるを得なくなります。それでも応じない場合は、各地域の税理士会に相談することで税理士会から指導が入ります。

そもそも『円満解約のコツってあるの…?』という方のために、“解約〜再手続きの流れ”をより詳しくまとめました。こちらもあわせてご覧ください!

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もしものトラブルのために『新税理士』の専門性も大切!

本記事でも紹介した通り、勘定元帳をはじめとする資料は非常に大切な『会社の資産』であり、その扱いが、後の経営を左右することも当然ながらあります。

つまり前任の税理士事務所の一存で『渡さない』『引き継がない』などは、原則あってはなりません。

もし万が一、前任者がそういった対応をしてこられた場合に必要となるのが、『新税理士の法的対応理解』です。

イデア総研税理士法人は、大分県内最大規模・顧問企業800社以上に加え、税理士・公認会計士・社会保険労務士・行政書士・中小企業診断士など多数の国家資格者が在籍し、税務・財務から労務・法務まで一貫してサポートします。

勘定元帳を含む帳簿の引き継ぎから、新体制での税務・会計サービスまで、貴社の状況に合わせてスムーズに移行をサポートいたします。

税理士変更でお困りの方は、お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください!

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