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【円満解約したい…】税理士変更でトラブルなく別事務所に依頼する“コツ”を専門家が解説!

電卓の上に「解約」と書かれた2つの白いブロックが置かれている。これは、契約の解除、費用計算、または金融取引における解約の概念を示唆している。

長年お世話になった税理士に、解約を伝えるのは心苦しいものですよね。

「今の税理士に不満はあるけれど、円満に解約できるだろうか…」 「波風を立てずに、スムーズに次の税理士へ引き継ぎたい」 この記事は、そんな悩みを抱える経営者のために、税理士の解約を円満に進めるための具体的な手順とポイントを解説します!

結論からいうと、税理士の解約で後悔しないためには、感情的なわだかまりを残さず、業務の引き継ぎを確実に行うことが何よりも大切です。

この記事を読めば、こんな悩みが解決します!
  • トラブルを避けるための円満な解約手順
  • 角が立たない解約理由の伝え方と文例
  • 解約時に必ず回収すべき資料リスト
  • 新しい税理士へスムーズに引き継ぐためのポイント
この記事を書いた人
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南 彰悟

1986年3月6日生まれ。大分県出身。早稲田大学を卒業後、25歳で公認会計士試験に合格。大手監査法人に8年程勤める。2020年税理士登録。イデア総研税理士法人の副代表として活動する。

税理士変更は「未来のための経営判断」!

オフィスでノートパソコンの前に座ったスーツ姿のビジネスマンが、複数の書類を手に取り、顎に手を当てて熟考している様子。

税理士変更のケースでは、多くの経営者が「これまでお世話になったのに…」と、税理士変更に抵抗感を抱いてしまうもの。実際に当社でもそういったお声をいただくケースが多くあります。

しかし大前提、税理士変更というのは今後の経営を支えるための「経営判断であること」ということを忘れてはいけません。

なぜ解約時に「申し訳ない」と感じてしまうのか?

長年付き合ってきた税理士に解約を伝えるのは、誰だって気まずいものです。

「お世話になったのに申し訳ない」「裏切りだと思われたらどうしよう」そんなふうに感じてしまうのは、あなたが誠実な経営者である証拠です。長年の付き合いによる人間関係や恩義、相手を傷つけたくないという気持ちは、決して間違っていません。

税理士は「会社の成長」に合わせて“見直すべき”!

しかし、会社のステージは刻々と変化します。

創業期には記帳代行だけで十分だったかもしれませんが、成長期に入れば資金調達の相談などのより“踏み込んだ経営改善の提案”が必要になります。

今の税理士が、会社の未来の成長に必要なサポートを提供できているか。もし、そこに疑問を感じるなら、税理士の変更は決して後ろめたいことではなく、会社の未来を考えた「責任ある経営判断」なのです。

「円満解約」するための流れは?

白い書類に「解約合意書」とタイトルがあり、その右横に黒と金のペンが置かれている。これは、契約の解除、終了、または合意書の署名を示唆している。

では会社の成長のために税理士変更をする場合。

具体的にどのようなステップを踏めば、円満に解約でき、次の税理士事務所に依頼できるのか?を詳しく解説していきます!

【準備】:まずは条件整理し、次の税理士事務所を探す

現在の税理士に解約を伝える前に、必ず次の税理士を見つけておきましょう。

「解約したはいいけど、良い事務所が見つからず税理士がいないまま…」となってしまうのが一番避けなければいけないことです。

税理士がいない「空白期間」を作ってしまうと、税務申告や給与計算といった重要な業務が滞り、会社の信用問題に直結する重大なリスクとなります。

先に新しいパートナーを確保しておくことで、余裕を持って現在の税理士と交渉できるだけでなく、新しい税理士から「引き継ぎで必ず受け取るべき資料」について専門的なアドバイスをもらうことも可能です。

【確認】:契約書を見て、解約のルールを把握する

解約の意思を伝える前に、現在の税理士との間で交わした“契約書”を必ず確認してください。

契約内容を理解しておかないと、予期せぬトラブルや余分な出費の原因になりかねません。特に「解約通知の時期」に関する条項を見落とすと、不要な顧問料を追加で支払うことになるケースもありますので注意してください。

【実行】:解約の意思を伝える(最重要)

現在の税理士に解約の意思を伝えるステップです。

ここでの目的は、単に解約を告げるだけでなく、「円満な関係を維持し、スムーズな引き継ぎに協力してもらう」ことにあります。

伝え方一つで相手の協力姿勢は大きく変わるため、不満をぶつけて感情的にさせるのは避けましょう。会社の成長など、前向きな理由と共にこれまでの感謝を真摯に述べることが大切です。

解約時に送る失礼のないメール文章

参考として、以下のような内容をお送りいただけると良いと思います。

件名: 顧問契約についてのご相談

〇〇税理士事務所 〇〇先生

いつも大変お世話になっております。 株式会社〇〇の〇〇でございます。

日頃より弊社の税務・会計業務において多大なるご支援をいただき、誠にありがとうございます。先生のご尽力により、これまで安心して事業に専念することができました。

さて、突然のご連絡となり大変恐縮ではございますが、弊社の今後の方針についてご相談させていただきたく、ご連絡を差し上げました。

この度、弊社は事業規模の拡大に伴い、組織体制や経営管理の方法を大きく見直すこととなりました。今後は新たな体制での税務・会計対応が必要となり、社内の管理部門強化や、別の専門家との連携も検討している状況でございます。

つきましては、誠に勝手ながら、今期末をもちまして顧問契約を終了させていただきたく存じます。

これまで〇〇先生には長きにわたり丁寧にご指導いただき、心より感謝申し上げます。貴事務所のご支援があったからこそ、弊社はここまで成長することができました。

今後の引継ぎ等につきましては、ご迷惑をおかけしないよう最大限配慮させていただきますので、お手続きについてご教示いただけますと幸いです。

末筆ながら、〇〇先生ならびに貴事務所の益々のご発展をお祈り申し上げます。

何卒よろしくお願い申し上げます。

【資料回収】:解約時に受け取るべき資料リスト

引き継ぎに必要な書類は、会社の「財務的な過去そのもの」であり、未来の経営の土台となる極めて重要なものです。過去の申告書や会計データがなければ、新しい税理士はあなたの会社の財務状況を正確に把握できず、適切な経営アドバイスや税務調査への対応が困難になります。新しい税理士がスムーズに業務を開始し、会社の成長を守るためにも、以下の資料は漏れなく回収しましょう。

  • 決算書・確定申告書(控え):過去3〜5年分。会社の財務成績を示す公式書類です。
  • 総勘定元帳・仕訳帳:すべての取引を記録した、会計の根幹となる帳簿です。
  • 年末調整・給与関連書類:給与明細や源泉徴収簿など。従業員の納税に必須の書類です。
  • 税務署への各種届出書類(控え):会社の設立や青色申告の承認など、税務上の地位を証明します。
  • 定款、登記簿謄本:会社の基本ルールを定めた、法的な効力を持つ公的証明書です。
  • 会計データ:弥生会計やfreeeなど。引き継ぎ後の業務を効率化する上で不可欠です。

【引き継ぎ】:次の税理士へすべてを渡す

新しい税理士とのスタートを成功させるため、前の税理士から回収した資料はすべて速やかに渡しましょう。

特に、過去の決算書や総勘定元帳、そして会計データは、新しい税理士が貴社の財務状況を正確に理解し、適切なサポートを始めるための絶対的な基礎情報となります。単に資料を渡すだけでなく、会社の現状の課題や将来の展望も併せて伝えることで、より深く経営状況を理解してもらえます。

最後に、新しい税理士に「税務代理権限証書」を税務署へ提出してもらいます。

この書類が提出されることで、税務署に対して税務代理人が変更されたことが正式に通知され、引き継ぎは公的に完了となります。

特にe-Taxやel-Taxなどの電子申告システムを利用している場合は、ログイン情報の引き継ぎや、新しい税理士での再登録が必須です。前の税理士が代理で手続きをしていた場合、IDやパスワードが分からないケースもありますので、解約時に必ず確認し、必要であれば税務署で開示請求の手続きを取りましょう。

税理士解約のよくある5つの疑問

ここからは、税理士の解約に関して、多くの方が疑問に思う点についてQ&A形式で解説します。不安な点はここで解消しておきましょう。

解約に最適なタイミングは?

決算申告が終わった直後が最も円満に解約しやすいタイミングです。

この時期は年間の会計業務が完了し、帳簿が整理されているため、新しい税理士への引き継ぎが非常にスムーズに進みます。

逆に、決算月や申告直前の繁忙期に解約を申し出ると、税理士に多大な迷惑をかけるだけでなく、引き継ぎミスや申告漏れといった重大なトラブルを引き起こすリスクがあります。

「解約理由」は正直に言うべき?

円満な解約を目指すなら、不満をストレートに伝える必要はありません。

目的は相手を論破することではなく、スムーズに引き継ぎをしてもらうことです。角の立つ伝え方をすると相手が感情的になり、協力的な姿勢を得られなくなる可能性があります。

「会社のステージが変わり、より専門的なサポートが必要になった」など、会社の未来を主語にした前向きな理由を伝えましょう。

違約金を請求されることはある?

税理士との顧問契約で違約金が発生することは稀ですが、契約書に特別な条項があればその限りではありません。

契約書は双方の合意に基づく法的な約束事であり、そこに期間内の解約に関する違約金の定めがあれば、支払いの義務が生じる可能性があります。だからこそ、解約を申し出る前に契約書を隅々まで確認し、自社が不利になる条件がないか把握しておくことが、自社を予期せぬリスクから守る上で非常に重要になります。

今の税理士が非協力的なのですが…どうすればいい?

万が一、資料の返却を拒否されるなどのトラブルが起きた際は、一人で抱え込まずに、その税理士が所属する地域の「税理士会」に相談してください。

税理士は税理士法に則って業務を行う義務があり、税理士会はそれを監督する公的な機関です。依頼者の正当な要求に応じないことは職務違反にあたる可能性があり、税理士会から指導や勧告をしてもらうことで、状況が解決に向かうケースがほとんどです。

公的な相談先があることを知っておけば、冷静に対処できます。

契約形態によって注意点は変わる?

はい、契約形態によって最適なタイミングは大きく異なります。

毎月関与する顧問契約の場合、日々の業務の流れがあるため、契約書で定められた通知期間(例:2〜3カ月前)を守ることが円満な引き継ぎの鍵です。

一方、確定申告のみを依頼する年一契約の場合は、一つの業務が完了した時点で関係も一旦区切りとなります。そのため、その年の申告業務が完了し、報酬の支払いを終えた後、次年度の依頼をする前に伝えるのが最もスムーズです。

イデア総研は「解約前のサポート」までご支援いたします!

明るいオフィスで、スーツを着たアジア系のビジネスマン2人がテーブルを挟んで打ち合わせをしている。1人は相手に向かってにこやかに、手を広げて説明しており、丁寧なコンサルティング、良好な顧客対応、または成功した商談といったポジティブなビジネスシーンを象徴している。

ここまで円満な解約手順や注意点について解説してきましたが、それでも、

  • 一人で進めるのは不安…
  • 新しい税理士を探す時間がない…
  • 次の税理士変更の相談に乗ってくれる“専門家”がいない…

と悩まれている方も実際に多くいらっしゃいます。

当社イデア総研税理士法人では、そんな経営者様の税理士変更まで徹底的にサポートします。

大分・福岡で800社以上の顧問実績に裏打ちされたノウハウで、現状の課題整理から、貴社に最適な新しい税理士のマッチング、そして円満な引き継ぎまで、ワンストップで対応可能です。

初回のご相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡いただき、あなたの不安をお聞かせください。

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