投稿日:2025.10.10 最終更新日:2025.10.10
社長交代時は「チーム」と「お金」の見直しが必須!第二創業でやるべきことを専門家が解説!

社長交代を行なった場合、新社長がやるべきことは「新体制の組閣」だけではありません。
そこでこの記事では、そんな新社長や担当の方が安心して業務を遂行できるよう、社長交代でやるべきことの全手順を、具体的な流れに沿って徹底解説します!
- 社長交代時の「全体像と流れ」は?
- 社長交代時に大切なのは「チーム」と「お金」の見直し!
- 専門内容は“外注”も視野に!

南 彰悟
1986年3月6日生まれ。大分県出身。早稲田大学を卒業後、25歳で公認会計士試験に合格。大手監査法人に8年程勤める。2020年税理士登録。イデア総研税理士法人の副代表として活動する。
まずは社長交代の「全体像と流れ」を把握しよう!
先の見えない道のりで最も不安なのは、自分がどこにいて、どこへ向かっているのか分からないことです。まずは全体のルートとスケジュールを頭に入れましょう!
社長交代の全体像と手続きの流れ
社長交代時における新社長のタスクは、大きく4つのフェーズに分けることができます。
①:社内準備をはじめる
新社長就任にあたり、まず社内体制を整理します。役員・管理職との情報共有や業務引継ぎ計画を立て、現行の事業方針や重要案件の進捗を把握します。
また組織図や責任範囲の見直しを行い、必要な人事異動を検討し始めるのもこの最初のフェーズです。
就任スケジュールや社内説明のタイミングを決め、業務が滞らないよう準備を整えることが重要ですので、勤務環境や福利厚生制度の確認も含め、従業員の不安を軽減し、新体制への移行をスムーズにするための基盤づくりを進めましょう!
②:「法的手続き」を行う
社長交代には会社法等に基づく手続きが必要です。取締役会や株主総会で選任決議を行い、議事録に記録します。
登記事務所(法務局)への商業登記申請で代表取締役の変更を届け出ます。
これにより、新社長の法的地位が公示され、契約や取引に関する権限が正式に認められ、定款や取締役の任期、選任要件も決定します。
必要に応じて印鑑登録の変更も合わせて行い、法的効力を確保します。
③:名義変更を行う
社長が変わると、会社の代表者名義で登録されている各種契約や口座、許認可の名義変更が必要。
銀行口座や税務署への届出、社会保険関連書類の更新、取引先との契約書など、代表者名義が反映される全ての書類を確認します。
電子取引システムや領収書、見積書、請求書等も新代表者名義へ修正します。
④:社内外への周知を行う
新社長就任を社員に伝えるため、社内報やメール、朝礼などで正式発表します。
また、取引先や顧客への案内状やプレスリリースで社外へ周知したり、ホームページや公式SNSの代表者情報を更新し、信頼性を保つのも行うべき作業です。
法的手続きや名義変更は、専門性が高いことに加え、会社を継承する上で迅速に対応することが求められます。
そのため「①:社内準備」や「④:社内外への周知」は多少優先度を落としつつ、まずは法律上必要な処理を先に済ませてしまうのがベストです。
ただし準備や周知が疎かになっていいというわけでもありません。交代時に行うべき業務の優先度を整理して動くようにしましょう。
見直すべきは「チーム」と「お金」
ここまでは社長交代時に“すぐやるべきこと”を解説しましたが、ここから会社を成長させるためにやるべきことが大きく2つあります。それは「チーム」と「お金」の管理です。
より深ぼって見ていきましょう。
社内組織(チームの見直し)
社長が交代したら、まず見直すべきなのが会社のチーム体制です。
前の社長の方針や仕事の分担が、今の事業や市場に合っているかをチェックします。誰がどんな役割を持ち、どのように進めているのかを整理すると、仕事の重なりやムダが見えてきますよね。
現場の声を聞きながら、チームの力を最大限に引き出せる配置を考えることが大切です。特に経営幹部との意思共有ができると、新しい方針も社内にスムーズに伝わります。
メンバーの強みを生かして再配置することが、次のステージに進むための土台になります。
財務調整(お金の見直し)
次にやるべきは、会社の資金をしっかり把握すること。
売上や経費、借入、支出のバランスを整理して、「今の会社のお金がどう動いているのか」を見直す必要があります。
過去に決めた契約や支出で、今の状況に合わないものが残っていることもありますよね。
資金繰りや利益の見通しを数字で確認して、短期的に払えるのか、将来の投資に回せるのかを判断します。数字の状態を正しく把握することで、経費削減や融資の動き方など、次の一手が決めやすくなります。

社長交代のタイミングは、会社全体を見直す絶好の機会です。
しかし「人」と「お金」の課題は密接に関わっており、どちらか片方だけを整えてもバランスが取れません。たとえば、チームの再編で役割を変えた結果、給与や予算の再調整が必要になることもありますし、逆に財務の見直しによって人員配置を変えなければならない場合もあります。
こうした判断には、数字の裏付けと現場感覚の両方が求められます。このようなケースで依頼できる専門家が“税理士”です。
税理士は決算や資金管理だけでなく、組織づくりや経営計画のサポートまで行えます。新社長が安心して経営の立て直しに集中できるよう、財務面と組織面の見直しを一括で相談できる存在こそが税理士なのです。
なぜ社長交代時に「税理士選び」が大切なの?
社長交代とひとくちにいっても、その裏側では実にさまざまな業務が動いています。新社長としての経営方針の策定から、それに伴う人事・労務関連の事務手続きまで、やるべきことは山積みです。
だからこそ、そもそも専門性が高い分野はできるだけ専門家に外注するという考え方がまず大切になります。
最大の理由は「経営ビジョンに伴走してもらえる」から!
社長が代われば、会社の経営方針も大きく変わることがあります。
新社長が「これからはDXを推進して、新しい市場に打って出たい」というような「攻めの経営」ビジョンを掲げたとき、その想いを100%理解し、共に走ってくれるパートナーの存在が欠かせません。
しかし、先代の「守りの経営」を長年支えてきた税理士が、その変化にすぐに対応できるとは限りません。新しい挑戦に対して「それは前例がありませんね」とブレーキをかけてしまう可能性も考えられます。
実際に、事業承継を機に税理士を変更する理由の一つとして、「新社長のやり方に、旧来の税理士が対応しきれない」という点が挙げられています。
その点、社長交代のタイミングで税理士を新たに選べば、新体制のビジョンや事業計画を一から丁寧に説明し、深く共有できますので、目指すゴールが同じだからこそ、経営判断に迷ったときも的確なアドバイスが期待でき、まさに「伴走者」として同じ方向を向いて進めるのです。
この辺りの理由については、こちらの記事でより詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください!

【税理士が教える】なぜ社長交代時に税理士を見直すのか?第二創業を見据えた変更理由を解説!
社長交代は、会社にとって「第二の創業」ともいえる大きな節目です。 新体制で会社をどう成長させていくか、希望に胸を膨らませる一方で、「経営の根幹を支える税理士との関係は、このままで良いのだろうか?」こんな問いが頭をよぎる新社長も少なくないでしょう。 結論からいうと、社長交代は、会社の未来を左右する
まとめ:計画的な準備で、円滑な社長交代を行うことが重要!
この記事では、社長交代でやるべきことの全体像と、具体的な流れについて解説してきました。
社長交代は、会社の「第二の創業」ともいえる重要な節目です。 手続きの不安を解消するだけでなく、この機会を会社の成長へとつなげるためには、新社長のビジョンに寄り添う専門家のサポートが欠かせません。
当社はこれまで業界問わず800社以上の顧問経験を踏まえて、あなたの会社の第二創業を支援いたします。
守りの税務はもちろん、これからの企業成長に欠かせない“攻めの経営提案”まで実施いたしますので、お気軽にご相談いただければと思います。